注目ワード「子育て」
子育ての制度や保育施設と言われてもピンと来ない方もいらっしゃると思います。ここでは子育て制度、保育園・幼稚園・認定こども園、子育て関連のデータについて紹介します。
登場人物
ゆきちゃん | のんびり屋さんだけど明るい性格。近々子どもが生まれる予定の妊婦さん |
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れいこ先輩 | しっかりもので物知りな会社の先輩 |
1. 子育て制度の種類
せんぱーい、このあいだ高校の部活で一緒だった友達と会ってきたんですけど、みんな子ども産んでて、〇〇市はあの制度がいいだとか、医療費の補助がどうのとか話していたんですけど、まったくついていけなくて…。子どもできるとやっぱり制度とか知っておかないとダメなんですかね?
そうね。子どもが生まれるとすごくバタバタして余裕がなくなるから、今のうちに知っておいた方がいいとは思う。困ったときに、役に立つし。
へぇ、どんな感じで役に立つんですか?
例えば、赤ちゃんの面倒を見ないといけないけど、病院行きたいとか一人で出かけたい時ってあると思うんだけど、預ける友達も親戚もいない時に、預かってくれるところがあるの。
へー。それって、美容院行きたいときに便利そうですね!どうするんだろうって思ってたんです。
確かに美容院行けないとストレス溜まるわよね。他にも、赤ちゃんってまだ会話できないから、家に大人がいないと、誰とも会話ができなくてモヤモヤすることもあるのよ。子育ての不安とかもあるしね。そんな時、赤ちゃんを遊ばせながら相談に乗ってくれるようなところがあるわ。赤ちゃんも新しいおもちゃがあって喜ぶし、他の赤ちゃんと触れ合う機会にもなって、お互いイイ気晴らしになるのよ。
なるほど…。赤ちゃんかわいい!だけでは済まないんですね…。育てなきゃですもんね。
あとは、ゆきちゃんの好きなおトク系でいくと、任意の予防接種や歯のフッ素の塗布を無料で受けられたり、子どもの医療費の一部を助成してくれたりするの。住んでいる街によって条件や制度が色々違うけどね。
ビバ!オトク!!
まずはどんな制度があるかを知って、それが自分の街にあるのかどうかを調べてみたらいいわ。
解説子育てに関係する制度は様々です。まずはどんな制度があるのか知りましょう。そして、自分に必要な制度がどんなものか考えてみましょう。
主な子育てに関する制度
一時預かり保育 | 認可保育所や子育て支援拠点(下記項目参照)などで、未就学児を短時間預かってくれる、比較的安い料金で利用できるサービスです。自治体によっては出産時に配られるクーポンを使うと無料で利用することが可能です。病気や出産などの場合は、ショートステイという泊りがけで預かってくれるサービスもあります。いずれも定員があるため、空きがないと利用できないことが多いです。 |
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地域子育て支援拠点(子育て広場等) | 3歳未満児をもつ親子が訪れて、子育ての相談をしたり、他の親子と交流したりできる場所です。大抵の場合、子どもを遊ばせるスペースがあって、そこに相談員と子どもの遊び相手を兼ねたスタッフがいます。子どもをみつつ、スタッフと育児について話をしたり、他の親子と話をしたりします。定期的にイベントを開催していて、身近な素材で子どもの喜ぶおもちゃを作ったりできます。 |
ファミリーサポート | 地域の子育て援助を希望し登録している人に、保育園の送迎をしてもらったり、子どもの面倒を見てもらったりと手助けしてもらえる制度です。手助けしてもらう側にも登録が必要になります。料金は1時間800円から900円程度で、こちらもクーポンで無料利用できる街があります。 |
産前産後の家事・育児支援 | 出産前、出産後の大変な時期に、家事や育児をホームヘルパーや専門のスタッフ等が訪問して手伝いをしてくれるサービスです。利用料金は比較的安く、住んでいる街によっては一部または全額助成してくれるところもあります。 |
多子家庭援助 | 2人目や3人目以降の子どもに対して補助金が出たり、サービスを受けられます。出産祝いという形で現金が支給されたり、保育園や給食費の補助があったりします。 |
ブックスタート | 出産時や0歳児健診などの機会に、絵本の読み聞かせなどの「体験」とともに「絵本」プレゼントしてもらえます。 |
ベビー用品レンタル・購入助成 | ベビーベットやベビーカーなど、一時期にしか使わないものをレンタルできたり、消耗品のおむつやミルクの購入費用を補助してくれる制度です。購入助成は、指定店舗で使えるチケットのようなもので支給されることもあります。 |
保育園開放 | 園庭で遊べたり、体重と身長を測らせてくれたり、イベントに参加できたりと、保育園に入園していなくても幼稚園に上がる前の幼児が保育園を利用できる機会を設けています。 |
赤ちゃんの駅 | おむつ替えや授乳ができるスペースを提供している施設を「赤ちゃんの駅」として登録し、利用しやすいようにマップで提供しています。イベントなどで、おむつ替え、授乳スペースを作るために「移動式赤ちゃんの駅」を無料で貸し出している自治体もあります。 |
予防接種・フッ素・各種検査費補助 | おたふくかぜ、インフルエンザ等、任意の予防接種の接種料金の一部、または全額を補助してくれたり、聴覚検査や歯のフッ素塗布を無料で実施してくれたりします。 |
病児・病後児保育 | 仕事が休めない状態にも関わらず、子どもの病気や回復後の感染可能期間などで、保育園に通えなくなった場合に、預かってくれるサービスです。看護士さんがタクシーで保育園にお迎えに行ってくれる施設もあり、その料金を補助してくれる街もあります。 |
子ども・学生等医療費助成 | 子どもの医療費を助成してくれる制度です。通院と入院、対象年齢と、自己負担、所得制限など住んでいる街でよって違います。隣同士の市でも、一方は1歳から所得制限があり、小学校4年生から自己負担が発生するのに対し、もう一方は中学3年生まで所得制限も自己負担もなしに補助がでるなど、大きな差がでる地域もあります。 |
母親交流 | 同じ月齢の子どもを持つ母親同士の交流会があったり、児童館等で育児サークル(乳幼児クラブ等)があったり、母親同士の交流を深める活動を推進している街もあります。 |
子育て情報配信 | 子育て関連の情報が集まったサイトや、アプリを用意している自治体もあります。特に予防接種を管理してくれるアプリは接種し忘れを防いでくれるので便利です。 |
保育園の送迎サービス | それぞれの保育園に保護者が送り迎えするのではなく、駅などの拠点から保育園まで送迎してくれるサービスです。指定時間に拠点に行く必要がありますが、保育園が駅から遠く離れているような場所ではとても便利です。 |
- まずはどんな制度があるのかを知ろう
- 使ってみたい制度があれば自分の自治体にないか調べてみよう
2. 保育園・幼稚園・認定こども園
先輩のお子さんって保育園通ってるんですよね?
いいえ、違うわ。うちの子は認定こども園っていうのに通っているの。
認定こども園??
簡単にいうと幼稚園と保育園の機能が合わさったところね。幼稚園は保育園と違って幼児教育をするところなの。でも幼稚園って、フルタイムで働いている人には、朝始まる時間が遅すぎるし、終わるのも早いでしょ。認定こども園は、幼児教育もするし、保育園のように、朝と夕方預かってくれる保育もあるの。
ステキですね!英才教育して、うちの子も天才に…
でも、認定こども園にも色々あって、幼稚園から認定こども園になったパターンだと、3歳からしか入れなかったり、行事が土日でなかったりと、休みが簡単にとれないような職場だと厳しいこともあるわ。
小さい頃はあっという間だし、行事とかゼッタイ見逃せないですもんね。
あと、今は幼稚園でも預かり保育と言って、朝と夕方とか、夕方だけとか、預かってくれるところも増えているわ。あとは夏休み、冬休み、春休みも1日中預かってくれるところもあるわね。
なるほど…入園前にそのあたりがどうなっているかちゃんと調べないといけないんですね
そうね。あと保育園なんだけど、保育園も種類が色々あるから気を付けて。
え”?まだ種類が…
まず認定こども園も幼稚園もそうだけど、公立と私立があるわ。で、保育園には認可保育所、地域型保育所、認可外保育所にわかれるわ。
認可とか認可外とかってなんですか?
簡単にいうと国の基準をクリアして、都道府県知事に認可された保育園ね。認可外には他にも都道府県や市区町村の基準を満たしたものもあるの。有名なのだと、東京都の「認証保育所」や横浜市の「横浜保育室」ね。
認可、認証、認定…ひぇぇぇ~(@д@)
解説どの施設に入るのが良いかの判断は、両親の働き方や立地などに左右されるものです。またそれぞれの施設に定員もありますので、入りたいけど入れない場合もあります。しかし、まずはどんな種類の幼児教育・保育施設があるのかを知ることが大事です。そこから家の近くにある施設がどんなものなのか理解していきましょう。
幼児教育・保育施設の種類
保育園(保育所) | 保育所は、主に両親が働いていたり、介護や病気で日中に子どもの世話をすることが難しい家庭に代わって、子どもの保育をしてくれる施設です。種類は様々ありますが、おさえておきたいポイントは、まずどの基準をクリアした施設なのか、何歳から入れるのか、何歳までいられるのか、保育料はいくらなのかなどの点です。0歳児は預かれないところ、2歳までしかいられないところ、認可保育所より保育料が高いところなどありますので、よく確認して施設を選びましょう。また認可保育所に入る場合は、両親の労働条件等で、優先順位が付けられることが多いです。条件はWebサイトや役所でしっかり確認しましょう。 |
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幼稚園 | 幼稚園が保育園と違う点は、3歳からということと、教育機関だという点です。保護者の代わりに保育する施設ではありません。そのため、1日の滞在時間が短く、小学校と同じように長期休みがあります。ですが、最近は朝・夕、長期休暇中の預かり保育を実施している園が増えています。また3歳より前に実施されるプレ保育がある幼稚園もあります。両親が働いている人には難しいと思われがちな幼稚園ですが、フルタイムで働く人には難しくても、パートタイムやフリーランスで働く人であれば、幼稚園という選択肢もあると思います。 |
認定こども園 | 保育園と幼稚園の機能が合わさった施設が認定こども園です。保育施設と幼児教育両方受けられるので、両親が働いている人もそうでない人も選択肢として考えられます。市区町村によって認定こども園の数は異なり、現在は国の方針もあり数がどんどん増えています。気を付ける点は、3歳以上でないと入園できない園があるということです。1歳か1歳半で復帰しないといけない場合、そういった園は選択できません。 |
- 幼稚園は教育機関。保育園は保育機関
- 認定こども園は保育園と幼稚園の機能が合わさったもの