注目ワード「認定こども園」
「認定こども園」とはどのような施設なのかと、疑問を抱いている方もいると思います。ここでは、認定こども園の概要から利用料などのデータについてご紹介いたします。
登場人物
ゆきちゃん | のんびり屋さんだけど明るい性格。近々子どもが生まれる予定の妊婦さん |
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れいこ先輩 | しっかりもので物知りな会社の先輩 |
1. 認定こども園とは?
先輩のお子さんって、たしか認定こども園に通ってましたよね?
ええ、そうよ。
この間近所をお散歩していたら気が付いたんですけど…。いま住んでいる場所から一番近いところが、認定こども園みたいなんです。認定こども園って、どんなところなんですか~?
もちろんよ。前にも話したと思うけれど、「認定こども園」は、幼稚園と保育園の2つの機能を持ち合わせた施設になっているの。0歳から就学前の子どもまでが利用できる施設よ。満3歳からは認定さえ受ければ保護者が働いている・いないに関わらず利用できて、預かり時間が幼稚園より長いことが特徴よ。
へぇ~なるほど…。
保育園との大きな違いは、幼稚園と同じ教育が受けられるところね。0歳児から2歳児までは、ほぼ保育園と同じ、満3歳児以降は、朝は保育園、昼は幼稚園、夕方は保育園にいるような感じになるわ。両親が日中働いていても、お迎え時間や夏休みなどを気にすることなく、幼児教育が受けられるのは魅力的よね。
そうなんですね!
あと、認定こども園には「幼保連携型」「幼稚園型」「保育園型」「地方裁量型」といった4つのタイプがあるわ。
知らない言葉がでてきた…
基本的な機能は同じだけれど、タイプごとに方針の差がある場合があるわ。例えば、「幼稚園型」は元々幼稚園が認定こども園になったものだから幼稚園に近い体制になっていて、行事が多かったり教育の時間が多くとられていたりするの。
じゃあどのタイプの園なのか、調べてみないとってことですね~
その通りね。
解説一口に認定こども園といっても、タイプごとにその内容は様々です。運動会やおたのしみ会などの園行事、英語学習やスポーツなどの教育環境が充実しているところもあります。園によって特色や教育・保育方針は大きく異なるため、家庭の状況や子どもにどのような過ごし方をさせたいのかを考えて選ぶと良いでしょう。気を付けなければならない点は、3歳以上でないと入園できない園があるという事です。3歳児未満で復職しなければならない方は、注意しましょう。
認定こども園のタイプ
幼保連携型 | 幼稚園と保育園の両方の機能を併せ持つタイプです。認定こども園として独立しており、教育機関かつ児童福祉施設として文部科学省と厚生労働省から認可を受けています。 |
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幼稚園型 | 既存の幼稚園に、保育園の機能が追加されたタイプです。幼稚園としての位置づけ(教育機関であること)は変わらず、「幼稚園教育要領」に基づいた教育を行います。 |
保育所型 | 既存の認可保育園に、幼稚園の機能が追加されたタイプです。保育園としての位置づけ(児童福祉施設であること)は変わらず、「保育所保育指針」に基づいた保育を行います。 |
地方裁量型 | 既存の認可外の幼稚園や保育園などに、認定こども園の機能が追加されたタイプです。 |
- 認定こども園は、幼稚園と保育園の機能が合わさったもの
- 気になる施設があれば、まずはどのタイプか調べてみよう!
2. 認定とは?
認定こども園にもいろんなタイプがあるってことは分かったんですけど、どうやって利用し始めたらいいんですか?
まず認定こども園に限らず、保育等の施設利用を希望する場合は、住んでいる自治体から「認定」を受ける必要があるわ。
ニンテイ…?
「認定」は区分があって、1号認定、2号認定、3号認定に分かれているの。認定を受けるには、子どもの年齢や「保育を必要とする事由※」に該当するかどうか等の条件があるの。どの条件を満たすかで「何号」の「認定」になるかが変わるのよ。
※保護者の就労、妊娠・出産、疾病・障害、親族の介護、災害復旧、求職活動、就学など
それって番号によって何が変わるんですか?
えぇ、利用できる施設が変わってくるわ。1号認定の場合は、幼稚園・認定こども園。2号認定の場合は、保育所・認定こども園。3号認定の場合は、保育所・認定こども園・地域型保育ね。
知らなかった~!
例えば、子どもの年齢が満3歳児以上で、ご両親が就労されている場合は、2号認定かしらね。そうすると、保育所か認定こども園へ通うことができるわ。
なるほど。じゃあ私も職場復帰するとしたら、保育所か認定こども園へ預けることになるんですね~
基本はそうだけれど、共働きでも「幼稚園に預けたい」という方の場合、1号認定を受けることになるわ。
そっか~。色々と調べてみないといけないですね~
解説保育等の施設利用を希望する場合、お住いの自治体から利用のための「認定」を受ける必要があります。認定を受けるには、「保育に必要な事由(保護者の就労、妊娠・出産、疾病・障害、親族の介護、災害復旧、求職活動、就学など)」に該当することが必要になります。ご家庭の状況が該当するかどうかは、お住いの自治体へ確認してください。
認定区分
1号認定 | 子どもの年齢が満3歳児以上で、保育に必要な事由に該当せず、教育標準時間4時間程度で通園する場合に該当します。教育標準時間は、基本的に4時間ですが、延長保育や一時預かりを利用することも可能です。利用可能施設は、幼稚園・認定こども園です。 |
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2号認定 | 子どもの年齢が満3歳児以上で、保育に必要な事由に該当し、保育標準時間(原則11時間以内)や保育短時間(原則8時間以内)で通園する場合に該当します。子どもの対象年齢は1号認定と同様ですが、保育時間が異なります。利用可能施設は、保育所・認定こども園です。 |
3号認定 | 子どもの年齢が0歳~満3歳児未満で、保育に必要な事由に該当し、保育標準時間(原則11時間以内)や保育短時間(原則8時間以内)で通園する場合に該当します。1号認定、2号認定とは、子どもの対象年齢が異なります。利用可能施設は、保育所・認定こども園・地域型保育です。 |
- 保育等の施設利用を希望する方は、まずはお住いの自治体から認定を受けよう
- 認定区分によって、施設への手続きと受けられるサービスが異なるので気を付けよう
3. 認定こども園のメリット・デメリット
認定こども園が保育園とは違うってことはわかったんですけど、良い点、悪い点ってあります?
認定こども園にお子さんを預ける場合のメリットとして、1つ目は「満3歳以上なら保護者の働き方が変わっても転園をしなくてすむ」という点かしら。保育園だと、基本的に保護者は就労していなければならないけど、認定こども園の場合は、離職しても1号認定がとれて受入れ枠が空いていれば、幼稚園部分に通い続けられるわ。
そうなんですね!働けない時も同じ所で預かってくれるのはいいですね~
2つ目は「幼児教育に積極的」という点ね。「幼保連携型」や「幼稚園型」の認定こども園は特にその傾向が強くて、平日の習い事が難しいご家庭でも、様々な教育が受けられる園があるわね。
なるほど~!習い事も色々ありますし、小学校に通う前にお勉強できるのはいいですね~
ただ、デメリットもあると思うわ。夏休み・冬休みなどの長期休暇は、預けられない場合もあるわ。
え、そうなんですか?!
共働きのご家庭の場合は、長期休暇中に預けられなくなると大変だから、事前によく調べる事が大事ね。あと、保護者が参加できるイベントが、平日に開催される場合もあるわ。
そうかぁ。小さい時のイベントは出たいもんな~。仕事していると休まないといけないですね。
解説認定こども園ならではのメリット・デメリットがあるため、幼稚園と認定こども園、または保育園と認定こども園のどちらがいいのか、見極める必要があるでしょう。
認定こども園のメリット
- 1号・2号・3号認定のどの家庭も通うことが可能。保護者の働き方が変わっても、転園する必要がありません(認定によって保育時間は変わります)。
- 就学前の教育が充実している園もあるため、平日の習い事が難しい家庭でも、さまざまな教育を受けられる場合があります。
認定こども園のデメリット
- 夏休みや冬休みなど、長期休暇中は預けられない場合があります。
- スクールバスを利用する等、保育料のほかに費用がかかる場合があります。
- ご家庭の状況をみてメリット・デメリットをよく調べてみよう
4. 認定こども園の利用料は?
認定こども園がどんなものかは分かったんですけど、そもそも毎月どのくらいお金かかるんですか?
保育料は、まず国の定めた「認定区分」によって変わってくるわ。
ニンテイクブン?
1号認定、2号認定、3号認定と3タイプあって、その基準によって費用の上限が決まっているの。例えば1号認定だと、0円~2万5,700円ね。ただ、この金額は国が定めているから住んでいる自治体によって異なるわ。
え、0円?!
国の幼児教育・無償化制度は知ってるわよね。認定こども園も対象で、満3歳以上の保育料は「無料」となるわ。とはいえ、施設によってはバス代や入園費、保護者会費などがあるから、完全に無料というわけではないわね。
なるほど…そこは施設に聞かないとわからないですね~。
そうね。入園時の案内などにも記載されていたり、自治体によっては補助制度がある場合もあるから、住んでいる自治体に確認するのが一番ね。
そうなんですね!色々と教えてくれてありがとうございます~
解説認定こども園の利用料は、世帯収入や住んでいる自治体によって決まります。また保育時間、兄弟・姉妹がいるかどうかによっても料金が変わってきます。自分の家庭がどの区分に該当するのかを把握しておきましょう。
- 利用料は、世帯収入、保育時間、兄弟・姉妹の有無によって様々です
- 補助制度含め、住んでいる自治体に確認しよう