注目ワード「財政」
自治体の財政破綻、他人事だと思っていたら結構身近なことかもしれません。ここでは自分の住んでいる街の財政状況について調べてみる方法と、市区ごとのデータをご紹介しております。
登場人物
ゆきちゃん | のんびり屋さんだけど明るい性格。近々子どもが生まれる予定の妊婦さん |
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れいこ先輩 | しっかりもので物知りな会社の先輩 |
1. 財政破綻するとどうなるの?
ふるさと納税で果物頼もうと検索した時に思い出したんですけど、どこかの市が財政破綻して大変なんですよね?でもそれって私たちの生活になにか影響するんですか?
うーん、なんて説明するか…じゃあまず生活ガイド.comでその市の水道料金を調べてみて。
え?7,000円近くする…高すぎ!
下水道料金も住民票交付手数料も他の市より高いでしょ?財政破綻っていうのは、市の支出が収入を上回って大きな赤字になったり、収入のほとどが借金返済に充てられていたり、市の収入が払い切れない大きな借金を抱えてしまった状態のことをいうわ。市は借金を返す1つの方法として、市が提供するサービスの料金を値上げしたりするのよ。
甘かった…もろ影響受けるじゃん。
解説財政破綻したって私たちには関係ないよね?と思っている人もいるかもしれませんが、もし私たちの住んでいる街が財政破綻してしまったら生活に大きな影響がでることもあります。例えば上下水道料金や市区町村が管理している施設の使用料、ごみ処理手数料、バスなどの交通機関などの値上がりが予想されます。まずは、他人事とは思わず、街の財政状況に目を向けてみましょう。
- 自分の住んでいる街が財政破綻すると、上下水道料金が値上がるなど、自分の生活に大きな影響を及ぼします
2. 自治体の財政状況がわかるデータってどれ?
財政破綻は恐ろしいってところまで分かったんですけど、自分の住んでる街とか引っ越そうと思っている街の状況を確認するにはどうすればいいんですか?
まずは「地方債現在高」をみてみようか。地方債ってざっくりいうと長期的な借金ね。人口が多いと市の規模が多くなって金額も高くなるから人口1人当たりの方を見るといいわ。
人口で割っていない方は全国でもかなり多い方だった。でも人口1人当たりの数値はいい感じ。
次に財政力を示す「財政力指数」をみてみようか。高い数値の方がよくて、1に近い数値ほど必要経費を自らの税収で賄える割合が高いことを意味するわ。
私の住んでいる街は限りなく1に近いです!
あら、いいじゃない。地方税も上位だから、税収が多いのかな。次に標準的な収入に占める借金返済額の割合を表した「実質公債費比率」をみてみようか。15%が警戒ライン、20%が危険ラインと言われているわ。
なるほど、借金返済額の割合ですね。ランキング上位とは言えませんけど15%にはほど遠いです。
次は収入に対する借金の負債額の割合を示した「将来負担比率」をみてみて。その金額が高い程将来財政を圧迫する可能性があるわ。政令市以外なら350%を超えると危険よ。
350%ってどんだけ…。うちの市はもちろん問題ありません!
最後に、財政構造の柔軟性をみる「経常収支比率」の数値をチェックしてみて。100%から引いた割合が柔軟に使えるお金ってことになるわ。70%から80%くらいの間が理想と言われているわね。
あー90%ぐらいだ…順位は200位くらいだから、全国的にみたらそう悪くないのかも。
こんな感じで、財政関連の数値をみていくとなんとなくだけど見えてこない??
そうですね!でももう難しい言葉が多すぎて、@*+?;}%$…
解説生活ガイド.comでは自治体の財政状況を知る数値や指標がいくつか用意されています。難しい言葉が多く忌避しがちですが、下の表を見ながら、自分の住んでいる街のデータを一度チェックしてみてください。その際に基準となる数値や全国ランキングを参考にすると客観的な街の財政状況がわかりますよ。
自治体の財政状況を知ることができるデータ
地方債現在高 | 地方公共団体が、資金調達のために行う1会計年度を超えて行う借入れ(借金)の現在高です。原則、地方債は公営企業(交通、ガス、水道など)の経費や建設事業費を調達する場合など、地方財政法第5条各号に掲げる場合においてのみ発行できることになっています。 |
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財政力指数 | 地方公共団体の財政力を示す指数で、基準財政収入額(標準的な地方税収)を基準財政需要額(行政事務の必要経費)で割って出した数値の過去3年間の平均値になります。財政力指数が高いほど、財源に余裕があるといえます。この値が1を超えると、標準的な財政需要に対して、標準的な税収が上回ることから、地方交付税は交付されません。 |
実質公債費比率 | 一般財源総額(標準的な収入)に占める実質的な公債費(借金返済額)の割合で、比率が低ければ低いほどよいものです。一般的には15%が警戒ライン、20%が危険ラインとされています。 |
将来負担比率 | 将来負担比率は、一般会計等が抱える実質的な負債の残高が、標準的な収入(標準財政規模)に対しどのくらいの割合かを示す指標。数値が高いほど、将来財政を圧迫する可能性が高くなります。健全化判断比率の一つで、早期健全化基準は市町村の場合350%、都道府県・政令市の場合400%です。 |
経常収支比率 | 財政構造の弾力性(柔軟性)をみるための指標。人件費、扶助費、公債費など定期的に発生する経費に、地方税、地方交付税、地方譲与税などの定期的に入ってくる収入がどのくらい充てられているかを比率で表します。もし経常収支比率80%の場合、20%が柔軟に使えるお金となります。一般的には、この比率が70%から80%くらいの間であることが理想とされています。 |
- 言葉が難しいからと忌避せず、まずはデータを見てみよう
- 基準となる数値やランキングの順位を参考にしよう